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2023年4月の各種ブラウザ仕様変更発表まとめ

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2023年4月に公式発表された、各種ブラウザ関連の主要な仕様変更発表のまとめです。

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要点

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Chrome 114 変更点

Chrome 114での機能追加・修正内容のまとめです。(ベータ版時点での情報)

追加・拡張

  • text-wrap: balance…見出し(h1~h6)およびblockquote要素にて、テキスト自動折り返し時の文字数を各行に均等に配分できるようになりました。空白/改行文字の表示制御(表示/非表示/重複分圧縮)を制御するwhite-spaceプロパティと組み合わせて使うことも可能です。
  • notRestoredReasons…バックフォワードキャッシュ(戻る/進むボタン用キャッシュ)が機能しなかった場合の理由を取得できます。
  • CHIPS(Cookies Having Independent Partitioned State, 独立パーティション化Cookie)…従来のサードパーティCookieに比べてクロスサイトトラッキング対策が施されたCookeiが使用できるようになります。
  • scrollendイベント…スクロールが完了したことをイベントとして取得できるようになります。これにより、スクロール完了時に発生させる処理を比較的シンプルにJavaScript等で仕込むことが可能になります。
  • Popover API…ポップアップ(ポップオーバー)を作るAPIが増えます。
    立ち位置的にはdialog要素に似ていますが、以下のような違いがあります。
    ○…枠外クリックで簡易終了する動作、インタラクション管理、イベント処理に対応
    ×…モーダル(範囲外の操作一時無効化)にできない
  • exclusionFiltersオプション…Bluetooth機器制御に使うnavigator.bluetooth.requestDevice()で、一部のデバイスを排除できるようになります。
  • WebAssemblyで使える定数処理命令に、i32.add, i32.sub, i32.mul, i64.add, i64.sub, i64.mulが追加されます。

オリジントライアル(先行試験実装)

  • Attribution Reporting API機能拡張…コンバージョン発生に対するアトリビューションについて、Webとネイティブアプリをまたいで貢献度付与を行えるようになります。
  • Background Blur API…カメラの映像のうち背景を自動認識してぼかす機能が追加されます。

※オリジントライアルは、サイト管理者がオリジントライアル管理画面新しいウィンドウで開きますから対象オリジン(ドメイン)を登録し、発行されたトークンをHTMLにmetaタグとして設置した場合のみ、期間限定で有効になります。(詳細はGoogleの解説新しいウィンドウで開きますを参照)

仕様変更

  • CSS overflow: overlayの挙動がoverflow: autoと同じになります。(ほぼ廃止)
    ともにコンテンツが枠からあふれる際にスクロールバーを表示するのは同じですが、コンテンツ幅の扱いが変わります。
    変更前:コンテンツ幅がスクロールバーの影響を受けない
     ↓
    変更後:コンテンツ幅がスクロールバーの影響を受ける(狭くなる)※autoと同じ挙動になる

Chrome 113 変更点

Chrome 113での機能追加・修正内容のまとめです。(ベータ版時点での情報)

追加・拡張

CSS

  • overflow-inline / overflow-block…メディアクエリで、該当要素にオーバーフローでスクロールが発生したときの表示内容制御(色変更等)ができるようになります。
  • メディアクエリで、表示媒体の更新頻度に応じたスタイルの出し分けが可能になります。
    none…更新不可(紙等) / slow…低速更新(e-ink電子書籍デバイス等) / fast…高速更新(PC・スマホの画面等)
  • イージング設定のうちリニア linear()で、複数のポイントを指定した複雑なリニア補間が使えるようになります。
  • image-set()…複数解像度の画像をセットにする記述について、-webkit-image-set()のようなベンダープレフィックスのない記述でも使用できるようになります。また、解像度単位の追加(dppx・dpi・dpcm)、画像MIMEタイプ記述対応、url()に入っていない生URL指定対応といった機能拡張も行われます。

Web API

  • Headers.getSetCookie()メソッド…複数のSet-Cookieヘッダーをまとめて取得できます。
  • Web Authentication API(WebAuthn)でlargeBlog形式のデータが扱えるようになります。
  • WebGPU API(WebGL・WebGL2の後継)対応により、従来より強化されたパフォーマンスでキャンバス描画ができるようになります。

セキュリティ関連

  • Private State Token API…プライベートステートトークン(旧称トラストトークン)=サードパーティCookieを使用せず、サイト間でユーザー認証情報を伝達できる技術の実装が始まります。一斉実装はされず、試験・評価のため、一部のユーザーから順に数週間かけて実装が行われます。

オリジントライアル(先行試験実装)

  • WebGPUで、HTMLVideoElement経由で扱う動画の1フレームを取り出して外部テクスチャ(GPUExternalTexture)として扱う機能が使えるようになります。

※オリジントライアルは、サイト管理者がオリジントライアル管理画面新しいウィンドウで開きますから対象オリジン(ドメイン)を登録し、発行されたトークンをHTMLにmetaタグとして設置した場合のみ、期間限定で有効になります。(詳細はGoogleの解説新しいウィンドウで開きますを参照)

仕様変更

  • Secure Payment Confirmation(決済処理用Web API)のうち、CollectedClientAdditionalPaymentDataのうちの「rp」パラメータが、WebAuthnに合わせて「rpID」という名称に変更されます。
  • 同一オリジンポリシーの緩和に使うdocument.domainプロパティの設定を行う場合、オリジンキーエージェントクラスター(Origin-Agent-Clusterヘッダー)によるオプトインが必要になります。

デプリケーショントライアル(廃止猶予)

  • RTCPeerConnection(ブラウザビデオチャット用API)で統計情報取得に使うgetStatsメソッドのうち、正式仕様でない方のgetStats(引数に対するコールバックで判定を行うもの)が廃止される予定です。デプリケーショントライアルを申請するとChrome 121まで廃止を猶予できます。

※デプリケーショントライアルは、サイト管理者がオリジントライアル管理画面新しいウィンドウで開きますから対象オリジン(ドメイン)を登録し、発行されたトークンをHTMLにmetaタグとして設置した場合のみ、期間限定で有効になります。(詳細はGoogleの解説新しいウィンドウで開きますを参照)

Firefox 112 変更点

Firefox 112.0~111.0.2での機能追加・修正内容のまとめです。

追加・拡張

112.0

  • パスワード入力時にフィールド内右クリックでパスワードを表示するようになりました。
  • Chromium(Snapパッケージ)からブラウザデータをインポートできるようになりました。
  • タブバーに表示中のタブを中央クリックで閉じられるようになりました。
  • Ctrl(Cmd)+Shift+tで閉じたタブを開きなおせるようになりました。
  • Windows/Intel GPU使用時に、ソフトウェアデコードした動画をオーバーレイ表示させられるようになりました。縮小表示時の画質とGPU負荷が改善されます。
  • 設定の「強化型トラッキング防止機能」(ETP)を「厳格」にした場合に削除されるトラッキングパラメーターのリストが拡充されました。
  • プライベートウィンドウおよびETP設定を「厳格」にした場合のメールアドレス保護が強化されました。

修正・改善

112.0.1

  • Firefoxアップデート時にCookieの日付が遠い未来に設定されるバグが修正されました。

112.0.2

  • 最小化もしくは他ウィンドウに完全に隠れたウィンドウのアニメーション画像が高負荷になるのが修正されました。
  • Linuxでビットマップフォント利用時に一部サイトでテキストがセクション丸ごと非表示になる問題が修正されました。
  • Windows 8でWeb通知時に画像が表示されない問題が修正されました。

廃止・削除

112.0

  • U2F Javascript APIがデフォルトで無効化されました。U2FプロトコルはWebAuthn APIでは引き続き利用可能です。
    なお、プラウザ設定でsecurity.webauth.u2fを再度有効化させれば、U2F APIをFirefoxで使うことは可能です。

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