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LPやECサイト等のCTA/コンバージョンボタンの文言に関する諸説まとめ

記事タイトル画像:LPやECサイト等のCTA/コンバージョンボタンの文言に関する諸説まとめ

購入や申し込みにユーザーを誘導するボタンの文言は、少しの違いで購入・申し込み等の達成率(コンバージョン率)に大きな違いが発生する場合があります。ボタンの文言の工夫で購入・申し込み等を増加させるコツを、成功事例の紹介とともに解説します。

要点

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Webサイトのボタンの文言はチューニングすべし

サイト訪問者を購入・申し込み等に誘引する際は、単なるテキストリンクではなく、押しボタン形式のクリック要素がよく用いられます。これは「コンバージョンボタン」「Call to Actionボタン」(以下、CTAボタン)とも呼ばれ、サイトの目標到達(コンバージョン)にとっては非常に重要な要素です。

ボタンのアクション促進効果は様々な要素によって変動しますが、このうちボタンの【文言】については、HTML内の文字列を直接変更するだけでよいため、比較的試行錯誤しやすくなっています。

サイトからの購入・申し込みを少しでも増やしたい場合は、訪問者を増やすだけでなく、ボタンの文言等についても工夫を凝らすことが重要です。

ポイント(1):具体的な動作をボタン名に入れる

ボタンに入れる文言は、[確認画面を表示][問い合わせ送信][購入を確定]といった、訪問者の具体的な行動を入れていくのがおすすめです。

例:

  • 「OK」→「確認画面を表示」
  • 「送信」→「問い合わせ送信」
  • 「決定」→「購入を確定」

[OK][決定]等の抽象的な文言だと、ボタンを見ただけでは押したときにどうなるのかはっきりしません。そうなると結局、警戒した訪問者が途中で離脱する原因となります。

事例:具体的な動作の文言を入れて登録数アップ

勤怠・労務管理ツール「Hubstaff」のサイトで、新規登録ボタンの文言を「Let's Go」(行きましょう)と「Create Account」(アカウント新規作成)で比較したところ、「Create Account」の方が登録数が49%アップしました。

事例:具体的な動作の流れに沿った文言を入れて登録数アップ

スカンジナビア半島に展開する、とあるスポーツジムチェーンの登録サイト(ジムを選択して個人情報を登録)について、登録画面に誘導するボタンの文言を「Get your membership」(会員登録する)→「Find your gym & get membership」(ジムを探して会員登録する)に変更したところ、会員登録完了までの到達率が68%増加しました。

ポイント(2):訪問者視点の文言を使用する

Webサイトの文言は基本的にサイト側を話者として語られますが、それに呼応するボタンのメッセージだけは、逆に訪問者を話者とした内容にするのがおすすめです。

例:

  • 「無料見積実施中」→「無料で見積を取得」
  • 「今すぐお申し込みください」→「今すぐ申し込む!」
  • 「詳細はこちら」→「詳細を確認する」

英語圏の解説記事では、「動作は一人称(I・my等)で書け」という話が散見されます。これは、「ボタンを押すという動作は、訪問者自身の意思や行動と同期していた方が成功しやすい」という考え方に基づいています。英語文法の表面的な話をそのまま日本語に適用するのは必ずしも適切ではありませんが、背景となっている考え方については、十分に取り入れる価値があります。

リンク文言をそのままボタンに入れたような、サイト提供者視点の文言を使用している場合は、訪問者視点の動作を表す文言に置き換えてみるのもおすすめです。

事例:二人称(your)より一人称(my)の方がクリック率が上がる

(1)支払いサイトのボタン文言を「Create My Account(アカウントを作成する)」から「Create Your Account(アカウントを作成してください)」に変えたところ、支払い完了率が24.91%低下しました。

(2)サービス価格紹介ページ内にある試用申し込みボタンの文言について、「Start your free 30 day trial(30日無料お試しを始めてください)」から「Start my free 30 day trial(30日無料お試しを始める)」に変更した結果、クリック率が9割アップしました。

ポイント(3):即決を促す煽り文句を入れる

LP等での離脱防止テクニックの一つに、「即決を促す文言を入れる」という手段があります。

例:

  • 「申し込む」→「今すぐ申し込む」
  • 「登録する」→「登録する(残りわずか!!)」

ボタン内の文言が長くなりすぎるのを避けたい場合、ボタン外に情報を付記することで即決を煽るという手段も有効です。

  • 在庫数が少ない商品の購入ボタンの近くに「残り○個:ご購入はお早めに」と表示
  • 期間限定ものの残り時間を「終了まで23:45:03」のようにリアルタイムにカウントダウンさせる

といったテクニックはよく利用されます。

今の訪問者が「あとでいいや」と離脱した場合、戻ってきてくれる確実な保証はありません。今ここにあるチャンスで訪問者に勝負をかけたいなら、いかに即決を促すかは重要な要素です。

事例:期間限定セールのカウントダウンで購入を促進

スウェーデンのECサイト「IDEAL OF SWEDEN」において、期間限定セールのカウントダウンバナーを画面上部に表示したところ、購入ボタン押下率が5.6%アップしました。

ポイント(4):有益性を示す具体的な情報を入れる

登録によって得られる成果物、「無料」「割引」等のお得要素など、有益性を示す具体的な情報を入れるのも重要です。これにより、登録の意義が明瞭化され、訪問者が登録の決断をする際の役に立ちます。

例:

  • 「申し込む」→「プレゼント抽選[A]に申し込む」
  • 「登録する」→「無料お試しに登録する」

訪問者の背中を押す情報や、アピールしたい内容などがあれば、ボタン内や近くに小さく付記するという手もあります。

ただし、訪問者を警戒させるようなうかつなことを書いてしまうと、逆効果となってしまう場合もあります。文言は慎重に精査し、テストで検証していくのがおすすめです。

事例:メリットが具体的に示されていた方が登録数が多かった

テキスト情報サイト(一部分のみ無料、記事を全部読むのは有料)で、有料会員登録に誘引するボタンを「Read Full Essay Now」(記事全文を読む)から「Get Instant Access Now」(アクセス権を取得)に変更したところ、登録数が39.03%減という結果になりました。

事例:「無料」とボタン内に入れて登録数が3倍に

とあるサイトのユーザー登録フォームについて、ボタンの文言を「Click Here」(ここをクリック)から「Get Free Access」(無料アクセスを獲得)に変更したところ、登録数が3.01倍(201%増)になりました。

(ただし、ボタンの色やサイズの変更、返品制度の説明を入れるなど、複数の要素が絡んでいる可能性があります)

事例:「無料」とボタン内に入れて登録数が増加

カナダのカーペットクリーニング会社「Love Your Rug」のサイトで、見積請求フォームへ誘導するボタンのボタンを「GET A QUOTE」から「FREE ESTIMATE」「GET A PRICE」「FREE QUOTE」に変更するテストが行われました。3つの変更案のうち、「FREE QUOTE」が一番高い改善効果(2.07%→2.31%)が現れました。

事例:無料アピールを付記で登録率アップ

フランスのオンラインアドレス帳サービス「Soocial」(現Viadeo)について、新規登録に誘引するボタンの横に「It's free!」(無料です!)と付記したところ、登録率が14.5%→18.6%にアップ(28%増)という結果になりました。

ポイント(5):文言は短くシンプルに

ボタンの文言は極力短くシンプルに、一瞬見ただけで内容が確実に分かるものがベターです。

ボタンの文言は、あれこれ要素を詰め込むと、どうしても長くなりがちです。文言が長いと、訪問者がボタンの内容を左から右に読まないといけなくなります。そうなると、文章を読むのが苦手な人の動きが止まり、押下率低下や離脱の原因となります。

どうしてもアピールしたい要素は、ボタンの外に記載しておくという手もあります。

事例:長い文言を短くしたらクリック率が3倍以上に

口コミサービス「Friendbuy」のサービスのデモ誘引用のバナーの文言について、「Wanna see it? Share Friendbuy with friends!」(見てみたいですか? Friendbuyを友達とシェアしてください!)を「Test it out」(お試しする)「See demo」(デモを見る)に変更するテストを行いました。

結果、元の押下率1.44%に対して、「Test it out」が2.47%(1.71倍)、「See demo」が4.49%(3.11倍)という結果になりました。

事例:同じ語数でも、文字数を短くシンプルにして登録数アップ

デンマークの不動産情報サイトで、「Bestil information」(情報を請求する)→「Få information」(情報を取る)にしたところ、資料請求の登録数が38.26%アップしました。

注意点:必ずA/Bテストで確認してみること

ここで取り上げたテクニックは100%確実なものではありません。事例によって仮説を裏付ける結果が出ることもあれば、そうでないこともあります。また、状況により取り入れる要素を取捨選択しなければならない場合もあります。何を適用するのが最適かは、実際に自サイトでA/Bテスト(対照実験)を行い、効果を確認することが重要です。

A/Bテストを実施するには、現状調査、仮説構築、実験内容の企画・実施、結果分析など、Webサイト運用のPDCAサイクルを回す総合力や、LPOツールの活用ノウハウが求められます。独力で実施するのが難しい場合は、Web制作のパートナー企業に相談しつつ実施していくのがおすすめです。

まとめ

CTAボタンの文言は、ページによって最適な内容が変わるため、ページごとの内容検討やA/Bテストによるチューニングが重要です。

荷が重い場合はパートナー企業等に協力を仰ぎつつ、最適な文言を模索していくことが、購入・申し込み等増加への近道です。

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