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ロゴやアイコンの利用で法的トラブルを避けるための基礎知識

記事タイトル画像:ロゴやアイコンの利用で法的トラブルを避けるための基礎知識

SNSやアプリストア、その他各社のロゴやアイコンを、自由に加工してWebや印刷物等のデザインに使用していると、思わぬ形で自分や取引先を法的トラブルに巻き込んでしまうおそれがあります。実は十分な注意が必要な、ロゴやアイコンの取り扱いの基礎知識について解説します。

要点

  1. ロゴ・アイコン利用の法的トラブルに注意
  2. 利用規定によくあるチェックポイント…改変禁止、サイズ制限、余白の確保等
  3. 映像や屋外広告・大型印刷などは事前に許可申請が必要な場合あり
  4. 商標クレジット表記が必要な場合記載する

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ロゴ・アイコン利用の法的トラブルに注意

ロゴやアイコンは著作権・商標権の保護対象

Webサイトや印刷物・映像などでは、SNSやスマホOSのアイコン・バッジ、取引先・パートナー企業のロゴなど、様々な他社の著作物が使われています。

あまりに日常的に使われすぎて意識されないこともありますが、これらはあくまでそれぞれの企業等の著作物であり、商標権や著作権で国際的に保護されています。不正利用をすると、商標権や著作権の侵害として民事・刑事的に訴訟となる場合があります。

ロゴやアイコンを問題なく使うには、正しい方法で取得し、正しい利用法を遵守することが重要です。
よくわからない場合は、専門知識の豊富なパートナー企業等の力を借りつつ、問題点がトラブルになる前に修正していくのがおすすめです。

正当な入手経路を確保する

ロゴ・バッジ等の素材は、どこかに掲載されている素材を適当にコピーしてくればよいというわけではありません。

正式版のダウンロードページがブランドリソース専用サイト内に設置されている場合は、自分でそこから直接ダウンロードするのが、不正コピー回避のためにはおすすめです。

特にない場合、パートナーシップや取引先に連絡し、何らかの形で正規の素材を支給してもらったうえで使用するのがベストです。

利用ガイドラインで利用許可条件が明記されている場合あり

アイコンやロゴは、ほとんどの場合、権利者が著作権・商標権等を保持しつつ、一定の条件の下で他者による利用を許可しています。許可された範囲の中であれば、使用しても問題ありません。そのためには利用ガイドライン等で条件を確認することが重要です。

Webサイトや印刷物・映像等の中でロゴを使用する際は、ロゴ・アイコンの利用や商標等に関するガイドラインを確認し、その範囲内で利用するよう、設計・デザイン時に留意する必要があります。

ロゴ・アイコン利用時のチェックポイント

ロゴ・アイコン等のブランド素材利用ガイドラインの内容は、企業やブランドによってまちまちです。とはいえ、各社の利用規定を見比べると、部分的には「よくある規定」的なものが散見されます。

あくまでそれぞれの利用規定を個別に確認するのが基本ではありますが、よくあるチェックポイントがあらかじめ頭に入っていれば、理解するスピードがぐんと上がり、作業の効率化に繋がります。

想定外の利用用途の禁止

ロゴ・アイコン等の素材は、SNSやアプリストアの自アカウントへのリンクなど、提供者が意図した用途でのみ利用が許可される場合がほとんどです。それ以外のどんな用途にも自由に使っていいわけではありません。
例えばTwitterは、ロゴの利用ガイドラインで「Twitterのロゴを単なる鳥のアイコンとして利用すること」等を禁止していたりします。

また、素材利用規定の中には、本来想定される用途と無関係な協賛・後援・推薦・スポンサーシップ等の関係が示唆される使い方、素材提供元に悪いイメージを与える使い方を禁止しているものがあります。

色加工・変形等の禁止

ロゴやアイコン等の色や形状を無許可で勝手に改変することは、ほとんどの場合禁止されています。ロゴカラーや背景色をRGBAやCMYK等の数値で明示している場合もあります。
変形、回転、ドロップシャドウ、エンボス、部分利用等の加工も、多くの場合禁止されています。

この場合、たとえ配布素材の色味がコンテンツ全体のデザインと合わなくても、ページのメインカラー・サブカラーなどへの差し替えや色調補正、ドロップシャドウ等の加工を行ってはいけないことになります。

とはいえ、場合によっては「モノクロ印刷なのでカラーで色を出せない」「アクセシビリティに背景色とロゴが合わない」といったやむを得ない状況も存在します。その場合は、モノクロ印刷用のグレースケール素材や、白一色・黒一色等の別バージョンが公式配布されていたり、それに準ずる色変更を利用規定で特別に認めている場合があります。ダウンロード素材や利用規定をチェックしてみることをおすすめします。

ダークモード対応サイトでは、ロゴ等の背景に「白もしくは薄い色」のような規定がある場合、該当部分のみ背景を白固定にする等の工夫が必要になります。

サイズの制限

ロゴやアイコン等は、可読性を損ねる小ささでの表示が禁止されている場合があります。「最低○○ピクセル以上」「最低○○mm以上」という指示がある場合は、それに沿ったサイズ設定が必要です。
文字入りロゴの場合、「文字が読めない大きさは不可」という制限があることもあります。

さらに「複数のロゴを並べる場合は高さを揃える」という規定が加わると話が複雑になってきます。レスポンシブデザインでもうまくバランスを取れるよう、工夫していくことが重要です。

ちなみに、大きく掲載する場合も、「ロゴを最も目立つ要素として掲載してはならない」「ロゴに見切れ(表示欠け)や重ね合わせが発生してはならない」といった規定がある場合があります。

余白の確保、重ね合わせの回避

ロゴ等は狭いところに詰め込むことが禁止されている場合があります。
「他の表示要素との間に、ロゴサイズの○%の余白を確保」「画像・テキスト等他の要素との重なり合い禁止(背景写真等も該当)」等の規定がある場合は要注意です。

可変レイアウトを使用している場合は、ブラウザ幅によって意図しない形でロゴ等が詰め込まれないよう注意が必要です。

最新バージョンの維持

ロゴ・アイコン等は予告なく更新される場合があります。旧バージョンの利用を禁止する規定がある場合、素材を再ダウンロードして適宜置き換える必要があります。

許可申請が必要な媒体では早めに準備を進める

映像や大判印刷・屋外広告・商品パッケージなど、コンテンツの種類や使用法によっては、ロゴを使用する際に許可申請が必要なこともあります。

この場合、許可を得るまでに長期間(数週間~1ヶ月以上)必要だったり、申請や資料作成を英語で行う必要があったりと、前もって十分な準備が必要です。

商標クレジット表記が必要な場合に注意

ロゴ・アイコンが商標として保護されている場合、商標利用に関するクレジット表記が必要になる場合があります。

各ロゴの提供元の商標利用規定を確認し、必要に応じて商標クレジット文をサイトや印刷物等に記載しておくことも重要です。

まとめ

企業のロゴやアイコンは、「誰でも自由に使っていいフリー素材」のような認識でぞんざいに扱っていると、思わぬ形で自社や取引先を法的トラブルに巻き込んでしまう場合があります。専門知識の豊富なパートナー企業に相談しつつ、正当なルートで入手した素材を、許可された範囲で使用することが、法的トラブル回避のためには重要です。

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