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IR情報をもっと投資家に届きやすくするWeb強化策

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2022年の東証区分再編を控えて、上場企業は新たな投資家獲得が急務となっているところが少なくありません。そこで、Webサイト経由でIR情報発信力を強化し、投資家へのアピール力を高める方法を解説します。

要点

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問題:投資家へのアピールを向上したいのに、IRサイトの情報発信力が追い付かない

東証上場企業は最上位区分[プライム]入りを目指すうえで、投資家へのアピールが急務

東京証券取引所/JASDAQの株式上場企業は、2022年4月に市場の統合・区分再編を控えています。これまで東証一部/二部/マザーズ、JASDAQスタンダード/グロースの合計5区分が、[プライム][スタンダード][グロース]の3区分に統合・再編されます。

このうち、旧東証一部に相当する「プライム」では、市場流通株式比率35%以上・流通株式時価総額100億円以上を継続的に維持する必要があるなど、条件が厳格化しています。実際、2021年7月時点では、東証一部上場企業の3割がプライム上場基準を満たしていません。

東証/JASDAQ上場企業が市場株式への投資家を増やすのであれば、投資家が自社に投資するための判断材料を、Webサイト等で充実させることが重要です。

手作業でのWeb用IR情報掲載には限界がある

とはいえ、情報掲載の主力となるIR部門やWeb担当部門には、人間が作業する限り人的リソースの限界があります。

IRサイトでは、株価、売上・収益、資産・負債等、様々なデータが掲載されます。これらをわかりやすく表示しようとすると、項目ごとに表やグラフなどを何種類も作成する必要があり、決算期ごとに担当者の資料作成負荷が爆発的に増大します。負荷の増加は情報掲載のスピード低下につながり、企業イメージの低下や投資家の投資判断逸失といった悪影響を招きかねません。もちろん担当者の離職リスクも無視できない懸念点です。

また、Web担当者のリソースの都合から、非エンジニアが作成したPDFでのみ情報を掲載すると、「スマートフォンで見づらい」「Webブラウザの自動翻訳機能が使えない」といったPDFの限界が足かせとなります。これも投資家向けの情報発信としては機会損失のもとです。

解決策:WebへのIR情報掲載をIR用CMS等でWebシステム化し、見やすさ・更新コスト・多言語対応を改善

PDFやExcel等によるIR情報掲載の品質・スピード感に限界を感じる場合は、IR情報用のWebシステム/CMSに移行し、ブラウザ上で動的に表示・掲載していくのがおすすめです。

メリット1: TDNetやEDINETのデータから資料を自動作成できる

一般的に日本国内の上場企業は、金融商品取引法や証券取引所の上場規程に基づき、TDnetやEDINET等といった電子情報開示システムに、IR関係の各種開示情報を登録しています。これらの登録データを、システム経由で自動でグラフ等に加工できると、決算期ごとの資料作成コストは大幅に削減されます。手動更新の場合、予期せぬ作業の遅れや前倒しが発生すると必要な電子公告期間が満たせなくなるリスクがありますが、これも自動更新なら未然に回避できます。

IR情報用のWebシステム/CMSでは、TDnet/EDINETや独自の入力画面に各種元データを登録・入力すると、年別・項目別の絞り込みや表示方式の変更など、様々なデータがブラウザ上で動的に集計表示され、サイト閲覧者が各自欲しい情報を自由に選択・印刷できます。

TDnet/EDINETを使用していない企業も、IR用CMS独自のデータベースに情報を登録することで、システムを通した情報表示の自動化に対応できます。

メリット2: スマホ対応含む柔軟な表示性能で、投資家が見たい判断材料をどこでも分かりやすく表示

表やグラフ等の表示を全てHTML/CSS/JavaScriptによるブラウザ表示で処理することで、スマートフォン・タブレット等のマルチデバイス対応が容易になります。ノートPCを広げられない場所でも投資家がIR情報を見られる体制により、投資家へのアピールチャンスが広がります。

動的表示の多彩さも魅力のひとつです。絞り込みや表示形式の柔軟な切り替え機能、マウスオーバー時の追加情報表示など、投資家の知りたい情報を、見たい形式でダイレクトに表示できます。

メリット3: 多言語対応で、海外投資家へのアピール力アップ

HTMLベースの情報掲載は、多言語対応の容易さに直結します。HTMLテキストなら、PDFや画像に比べて翻訳の選択肢が多彩になるため、Google翻訳やブラウザの翻訳機能程度の精度でもよければ、追加コストなしであらゆるWeb掲載情報を多言語化させられます。

コスト的に可能であれば、Web用機械翻訳ライブラリを別途導入することで、iOS Safari等の自動翻訳未対応ブラウザでも幅広い多言語化が実現可能です。

注意点:IRサイト制作に知見のあるWeb制作会社と組んで構築・実装

これらのシステムをWebサイトに違和感なく組み込む際には、サイト全体のデザインに合わせたページ構成・デザイン作成、テンプレートHTMLの開発作業等も必要になります。機能・提供形態・費用感等自社に合わせた製品選択を含めて、IRサイト制作に知見のあるWeb制作会社に相談しつつ、タッグを組んでいくことも重要です。

まとめ

企業のIR情報発信は、IR専用のWebシステムを組み込むことで、コスト効率化・アピール力強化が実現できます。新規投資家の獲得が急務である場合は、知見のあるWeb制作会社に相談しつつ、積極的に導入を検討することをおすすめします。

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