デジタルマーケティングTips

訪問者に合わせたWebコンテンツ表示の自動切り替えやパーソナライズでユーザー体験を最適化させるには

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Webサイトにとって、ユーザー一人ひとりに最適化された情報を届けることは、顧客体験や売上を向上させるための重要な要素の一つです。スマートフォン(マルチデバイス)最適化や、流入元等に連動して表示を切り替えるランディングページ最適化(LPO)などはその典型例といえますが、ここでは、それ以外にも多数ある最適化の方法についてまとめます。

要点

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[A]時間帯や曜日・季節等によって内容を出し分け、常にタイムリーな最新情報を提供

最適化の中でも最もシンプルな方法の一つです。朝・昼・夕方・夜などの時間帯による切り分け、平日や土日祝などの曜日による切り分け、月単位の切り分けなどで、状況に合わせたコンテンツの出し分けを行います。
例えば、ECサイトでタイムセールや週末のみのセールを設定したり、お正月・新年度・地域の夏祭り・十五夜・ハロウィン・クリスマスなど、季節のイベントに合わせてカウントダウンを設定したりするだけで、サイトの活気が大きく変わり、訪問者の再訪問を促進します。
内容的に条件が簡潔で、導入の敷居が低いのが魅力です。cronを使った自動更新設定やPHP等でのページ動的出力など、比較的シンプルなシステム処理で実装できます。

[B]訪問者のアクセス情報によって、ユーザーの状況に応じて表示内容を最適化

アクセス時にブラウザからサーバーに送られる情報や、Cookieなどで記録した閲覧記録情報は、サイトに表示する内容を最適化するための判断材料として活用できます。[C]で後述する属性情報ほどの精度はありませんが、すべての訪問者に対して適用できるというメリットがあります。

(1)サイトの流入元によって内容を出し分け、訪問者が最も興味のある内容を表示

ランディングページ最適化(LPO)などでよく使われる手法です。URL末尾に識別子を追加する方法が一般的で、広告Aからサイトにきた訪問者には広告Aに関する内容を、広告Bからの訪問者には広告Bに関する内容を真っ先に見せる、などの切り分けを行います。流入元からサイトへのユーザー体験をスムーズに繋げ、直帰を防ぐことで、その先のサイト閲覧やクリック/コンバージョンに至るまでの流れを円滑に進められる効果が得られます。

(2)訪問者の位置情報を見て、近い地域に絞り込んだ情報を表示

訪問者の位置情報をGPSやIPアドレス(※)から取得することで、訪問者の近隣の情報を表示するパーソナライズが可能になります。
ポータルサイトであれば近隣の店舗情報・気象情報・交通情報を自動選別して掲載したり、ECサイトであれば近隣で店頭受け取り可能な店舗のリストを表示することも可能です。実店舗集客を狙う場合は、近隣にいる人だけにオンラインクーポンを発行すれば、効率的な集客施策になります。
また、国単位の出し分けであれば、グローバルサイトが訪問者の位置情報によって自動的に言語や国を切り替えたりできます。(万能ではないので、手動切り替えも別途必要です)

※なお、今後の傾向としては、IPv4枯渇に伴いIPアドレスと位置関係の精度が徐々に低下するにつれて、GPSでの位置情報取得許可を訪問者からブラウザ経由で取得する方法の重要度が相対的に上がっていくと見込まれます。

(3)サイトの訪問回数や閲覧履歴によって内容を出し分け、訪問者の知識量に適した情報を表示

初めてサイトを訪れた人と、そのサイトを日常的に利用しているヘビーユーザーでは、求められる情報も変わってきます。例えば、初めての人向けのヘルプやチュートリアルは、初回訪問者向けにはサイトトップの目立つところに大きく入口を出しておくとユーザビリティの向上に繋がりますが、いつもそのサイトを利用しており、情報収集や購買など目的意識のはっきりしているリピートユーザーにとっては、新製品情報やセール情報などを最初に表示した方が、よりコンバージョンに結び付きやすくなります。
また、ECサイトなどによくある例としては、
「この商品をチェックした人は、こんな商品もチェックしています」
「この商品を購入した人は、こんな商品も購入しています」
など、訪問者や近似ユーザーの過去の閲覧・購入データを集計することで、閲覧中のユーザーに対してレコメンドを出せるようになります。
これらは外部サービスのLPOツールやレコメンドエンジンを利用するほか、CMSによっては製品内部の機能を用いて実装することも可能です。

[C]訪問者の属性情報を利用したパーソナライズで、さらに高度なユーザー体験を実現

一人ひとりの顧客にパーソナライズされたユーザー体験を提供するには、個人や所属企業の属性情報が取得できると、より最適化の精度が上がります。

(1)SNSのユーザー情報を活用して、好みに合いそうな情報をピンポイントで表示

Facebookでは、ユーザー認証時に許可(※)を得ることで、性別や生年月日(≒年齢)や出身校・勤務先などユーザーが登録した属性情報、そのユーザーが「いいね!」したFacebookページや好きな音楽・映画・TV番組・書籍・ゲーム等の一覧など、様々な情報をAPI経由で取得できるようになります。Facebookの認証をログイン代わりにしている会員制サイトであれば、ユーザーの好みを細かく把握したうえで、性年代別にコンテンツの初期配列を切り替えたり、特定の作品のファン向けに購入されやすい商品を並べたり、閲覧・シェアされやすい記事を優先的に配置したり、といったピンポイントなパーソナライズが実現できます。

※許可はあくまでユーザーの任意によるものなので、許可が得られなかった場合の処理も用意しておく必要があります。

(2)外部データベースの連携で、顧客一人ひとりを知り尽くした高精度の情報を提供

社内の顧客管理(CRM)システムの情報や会員データベースの情報、データマネジメントプラットフォーム(DMP)内に蓄積されたユーザー属性情報、IPアドレスと企業情報を紐づけたデータベースなど、外部データと連携したWebコンテンツ最適化ができると、より自由度が広がります。
たとえば、BtoBやBtoCなど訪問者の企業の業種によってトップページに並べるサービスを使い分けたり、新規訪問者・見込客/休眠顧客・アクティブな既存顧客など取引状態に応じて内容の粒度を切り分けたり、のように、細かいレベルで表示内容を動的に切り替えられると、訪問者一人ひとりのニーズにマッチした情報が提供でき、ブランディングやリピート率の向上に繋がります。
中型~大型CMSの多くはCRM・DMPなど外部のシステムやデータベースとの連携を想定した機能拡張が可能になっており、必要な機能をカスタマイズ開発することで、最適化の幅が広がります。

まとめ

ユーザーの可処分時間を様々なメディアが奪い合う中、ユーザーが求める情報をWebサイトがいかにストレートにピンポイントに提供できるかは、サイトのユーザー満足度やビジネス貢献度に大きく影響します。個客にそれぞれ最適化するWebコンテンツは、追求するほど、複雑化・動的出力化の一途をたどります。これを実現するためには、CMS導入や外部サービス活用によるWebサイトのシステム化、データ連携によるコンテンツの自動最適化が、重要な選択肢であると言えます。

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